管理職が飲みニケーション一本槍をやめて、若手との関係を築く5つの方法
若手を誘っていいのかわからない。勇気を出して誘ったら、あっさり断られて、そっと傷ついた。
そんな経験があるなら、あなたは若手との関係を、真剣に考えている管理職です。
答えはシンプルで、関係づくりの方法を飲みニケーション一本にしなければいいだけ。
私自身、怒りで人間関係をこじらせた側の人間でした。 だからこそ、関係を作り直す方法をお伝えできます。 今は感情マネジメントを軸に、企業や行政機関の研修を担当しています。
この記事では、飲み会を否定せずに関係を深める5つの方法を紹介します。 飲み会文化の中で育ち、若手との距離感に悩む40〜50代の管理職の方に向けて書きました。
飲みニケーションは否定しない。ただ、一本槍はもったいない
まず、はっきりお伝えします。 飲みニケーションは、悪者ではないんです。
お酒の席だからこそ話せた本音や、仕事では見えなかった一面は、確かにあります。 若手の中にも、年上の社員と飲んでみたい人は意外といるものです。
ただ、現実も見ておきたいところ。 ある調査では、上司からの誘いを断ると答えた人が約7割でした。
お酒が飲めない人、家庭の事情で夜は動けない人もいます。 夜の席だけを窓口にすると、入口に立てない人が出てしまうんですよね。
誘う側にも迷いが生まれて、断られるのが怖くて誘えない管理職が増えているそうです。 それは、若手を大切に思うからこその迷いですよね。
関係づくりの方法が一つしかないと、断られた瞬間に道が閉じてしまう。
だから、方法を増やすのです。 飲みニケーションを捨てるのではなく、一本槍をやめる。 これが、私からの提案です。
オンラインだけでは、信頼関係が育ちにくい
では、オンラインで済ませればいいのでしょうか。 私の答えは、ノー。
オンライン会議は、情報共有には十分な手段です。 一方で、信頼感や連帯感を育てるには足りないと指摘されています。
理由は、雑談や表情、声の温度が伝わりにくいからでしょう。 「これお願いできますか」という一言でも、画面越しだと冷たく届くことがあるんです。
対面なら表情や間合いで補えた温度差が、画面上では見えなくなります。 その小さなすれ違いが、少しずつ距離になっていくんです。
だから、オンラインは土台の一部として活かします。 そのうえで、顔を合わせる場を意図的に足していく。
便利な道具と、人が育つ場は、別ものです。
関係づくりの選択肢を、5つ並べてみる
ここからが本編です。 どれか一つに絞る必要はありません。相手と状況に合わせて、使い分けてください。
1on1で、話を聴く時間をつくる
1on1は、仕事の時間内で行えるのが強みです。 お酒がいらず、参加を強制する空気も生まれにくい。
コツは、話す時間ではなく聴く時間と決めること。 たとえば、次のような問いから始めてみてください。
- 最近、仕事で困っていることはありますか
- 今の仕事で、やりがいを感じるのはどんな場面でしょう
- 私に手伝えることがあれば、教えてください
答えを急がず、沈黙を待つのもコツです。 沈黙は、相手が考えている大切な時間。
管理職が話しすぎると、1on1は指導の場に変わってしまいます。 聴く側に回った15分が、飲み会の2時間より深く届く日もあるんですよね。
壁打ちで、考えを整理する相手になる
壁打ちは、答えを渡す場ではありません。 相手が考えを整理するための、壁になる役割です。
たとえば若手が「この企画、どう思いますか」と持ってきたとします。 そこで正解を返さず、こう返してみてください。
それをやると、誰が一番助かるだろうね。
管理職が答えを渡すより、自分で気づくほうが、若手は動き出します。 そして、考える時間に付き合ってくれる人だという信頼が、少しずつ積み重なっていくんです。
答えがすぐに出なくても、大丈夫。 考える時間を一緒に過ごすこと自体が、関係づくりになります。
ランチミーティングで、業務外の入口をつくる
ランチは、夜の飲み会より拘束時間が短いのが利点です。 育児や介護を抱える人、お酒を飲まない人も参加しやすくなります。
夜の席と違い、終わりの時間がはっきりしているのも安心材料です。 若手にとっても、午後の仕事に戻れる気楽さがあります。
ポイントは、仕事の話をしない日を決めること。 趣味や最近見た映画、休日の過ごし方。そんな軽い雑談が、次の会話の入口になります。
始めるなら、この3点を押さえれば十分です。
- 誘うときは「空いていたら」と一言添える
- 時間は45分以内に区切る
- 支払いのルールを先に決めておく
スマートドリンクで、飲まない人も楽しめる場にする
スマートドリンクとは、それぞれの飲み方を選べる環境をつくる考え方です。 飲む人も、飲まない人も、飲めない人も、同じ席で楽しめるんですよね。
乾杯がノンアルコールでも、まったく問題ありません。 飲まない選択が自然に受け入れられる席なら、若手は構えずに来られるでしょう。
ノンアルコールの選択肢に、季節のジュースやお茶を並べるのもいい工夫です。 飲み物を選ぶ時間そのものが、会話のきっかけになります。
席で気をつけたいのは、次の3つです。
- 最初の一杯を、ノンアルコールから選べるようにする
- 飲まない人に、理由を聞かない
- 二次会は、行きたい人だけにする
飲みニケーションも、選択肢の一つに戻す
最後は、飲みニケーションそのものです。 捨てる必要はなく、選択肢の一つに戻すだけで十分でしょう。
条件は一つ、断れる自由があること。 断っても評価は変わらないとわかっていれば、若手は安心して「行きます」と言えます。
誘ってよくて、断ってもよい。その両方が守られてこそ、飲み会は関係づくりの場になる。
選ぶ基準は、心理的安全性にある
ここまで、5つの方法を並べてきました。 選ぶ基準は、ただ一つ。心理的安全性です。
心理的安全性とは、組織の中で不安を感じず、自分の考えを言える状態のこと。 若手が断る自由も、本音を話す自由も、この土台の上にあります。
誘われた側が、行かない選択を安心して伝えられる。 その安心が、あとから本音を話す信頼に育っていくんですよね。
迷ったときは、次の問いで確かめてみてください。
- 相手は、断りやすい形になっているか
- 断ったあとも、気まずくならないか
- 私は、相手が話す時間を奪っていないだろうか
一つでも引っかかるなら、方法を変える合図です。 方法を変えるのは、失敗ではなく前進なんですよね。
まとめ
ここまでの要点を、振り返ります。
- 飲みニケーションは否定せず、一本槍をやめる
- オンラインだけでは、信頼感や連帯感が育ちにくい
- 1on1、壁打ち、ランチ、スマートドリンクを使い分ける
- 飲み会は、断れる自由を守ったうえで選択肢の一つにする
- 選ぶ基準は、心理的安全性
断られて悩んだ時間は、関係を大切にしてきた証です。 関係づくりは、選択肢の多さが力になります。
そして、その多様さを守るのは、管理職であるあなたの姿勢なんです。
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最後までお読みくださり、ありがとうございました。