学級崩壊の悩みを高校のPTA役員会に出したら、意外な展開になった話 ~PTA任意加入を実現したからこそわかる意見のとどけ方~
「PTAに入っても、お役目ばっかりで…仕事も家庭もいっぱいいっぱいなのに嫌になる。」
「実は、言いたいことはあるけど、意見なんて届かないし、面倒な奴とおもわれたらどうしよう…」
そう感じたことはないでしょうか。
役員決めやお手伝いに追われて、正直「これ、意味あるのかな」と思う瞬間もあるはずです。
私は長年、行政の現場で合意形成やファシリテーションに携わってきました。
だからこそ、PTAという場で意見を届けるコツが分かるんです。
この記事では、高校の学級崩壊という悩みをPTA役員会に出した経験をもとに、意見が届く伝え方の型をご紹介します。
「PTAって意外と使えるかもしれない。」そう思ってもらえたら嬉しいです。
PTAに”意味を感じられない”のは、あなただけじゃない
正直に言うと、私も同じように感じていた時期があります。
行事の準備、当番、会議のための会議。誰のためにやっているのか、分からなくなることもありました。
ある保護者向けの意識調査では、PTAを必要だと感じている人が半数を超える一方、負担の大きさを理由に敬遠する声も根強いという結果が出ています。
その「必要」と感じる理由は、何だと思いますか。
私は、我が子が通う学校を良くしたい、楽しいものにしたいという想いなんじゃないかと思うんです。
つまり多くの人は、PTAそのものが嫌なのではなく、その想いを届ける手段に迷っているだけなのかもしれません。
- 意見を言っても結局何も変わらない。
- 忙しいのに、なぜ自分がやらなければいけないのか分からない。
- 学校に意見するなんて、クレーマーだと思われそう。
こうした感覚を持つのは、決して珍しいことではありません。むしろ普通のことです。
実は、問題はPTAという仕組みそのものではなく、その想いの伝え方にあるのではないでしょうか。
クレームと議題は違う——アサーションという考え方
ここで、アサーションという考え方を紹介させてください。
アサーションとは、自分の意見も相手の意見も、両方とも大切にする伝え方のことです。
コミュニケーションのタイプは、大きく3つに分けられます。
- 攻撃型は、自分の意見を押し通し、相手の気持ちを置き去りにする伝え方
- 我慢型は、相手に気を使いすぎて、自分の意見を飲み込んでしまう伝え方
- アサーティブ型は、自分の考えを素直に伝えつつ、相手の立場も尊重する伝え方
クレームは、多くの場合「攻撃型」に近い伝え方です。
一方で議題としての意見出しは、アサーティブ型を目指すものだと私は考えています。
たとえば「なんでこんな状態を放っておくんですか。」と言えば、それは攻撃です。
反対に、何も言わずに我慢し続ければ、状況は変わりません。
その中間にあるのが、事実を伝えたうえで「私はこう感じて困っているから、一緒に考えたい。」と提案する伝え方です。
意見を伝えることと、相手を責めることは、まったく別のものです。
この違いを理解するだけで、伝え方はぐっと変わってきます。
学級崩壊の悩みを、高校のPTA役員会に出してみた
実際にあった話をします。
息子が通う高校で、クラスが落ち着かない状態が続いていました。
一部の生徒が騒がしく、授業が成立しづらい場面もあったんです。
正直、腹が立つ気持ちもありました。
でも私が意識したのは、騒がしい生徒を責めないことでした。
そのまま感情的に伝えれば、それは単なるクレームになってしまいます。
だから、まず事実を集めることから始めました。
他の学年でも似たような状況があるという情報や、複数の生徒・保護者から聞いていた同じような声を、材料として整理したんです。
主観だけで話すのではなく、事実ベースで伝える準備をしていたわけです。
そのうえで役員会では、こう伝えました。
「授業が落ち着かなくて息子はじめ私も困っている。そしてどうやら、我が家だけの問題ではないと思うので、学校・生徒・保護者、三者の知恵を集めて一緒に考えたい。」
まずは、自分(自分たちは)どう感じているのかを率直に伝え、
そして責めるのではなく、一緒に考えたいという姿勢を、言葉にして伝えたのです。
出したあとに起きたこと
意外な展開が待っていました。
保護者からは「うちの子にも特性があって、就職まで苦労した。」という声が上がったんです。
「家庭でしか話さないこともあるから、保護者と先生の連携も必要だと思う。」という意見も出ました。
学校側からも、率直な話がありました。
- 授業改善に取り組んでいるが、なかなか結果が出ずに悩んでいたこと
- 指導と支援を分けて考えたいが、支援については経験が浅く難しいと感じていること
- 「楽しい高校生活を送ってほしい。」という願いは、保護者と一致していること
責めずに事実を出すというやり方が、対立ではなく協力を引き出したのです。
もし感情のままにクレームをぶつけていたら、その場は凍り付き、こうはならなかったと思います。
意見の出し方ひとつで、集まる知恵の量が変わる。
これは、私自身がPTAという場で実感したことです。
学校・生徒・保護者、それぞれの立場からの知恵が集まったとき、初めて見えてくるものがあるんですよね。
まとめ
今回お伝えしたポイントを、振り返ります。
- 意見を伝えるときは、自分はどう感じているか(考えているか)を率直につたえ、相手を責めるのではなく事実をベースにすること
- 「私は困っているから、一緒に考えてほしい。」という姿勢を、言葉にして伝えること
- アサーションは、自分も相手も大切にする伝え方であること
PTAは、使い方次第で意味のある場になります。
「意見を言っても変わらない。」と思っていたことが、実は伝え方の問題だったのかもしれません。
次のステップ
このやり取りを通して、私自身も改めて学ぶことがありました。
同じように「PTAに意味を感じられない。」「意見を言うのが怖い。」と感じている方は、決して少なくないはずです。
もしよろしければ、XアカウントやThreadsアカウントでもアンガーマネジメントやアサーション・コミュニケーションについて発信しています。
同じような場面で悩んでいる方がいたら、気軽に繋がっていただけると嬉しいです。